カモフラージュ手法 ― シナリオとモーション

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CASE 05 / CAMOUFLAGE METHODカモフラージュ手法 ― シナリオとモーション

写真からではなく、曲と歌詞から。MVの新しい作り方(2026/10/12)

2026/10/12

11月5日に公開する、竹内まりや「カムフラージュ」のMV。その制作で、写真から選ぶのではなく、曲と歌詞から「シーン」を先に決める新しい作り方を試しました。

途中で生まれた道具に、私が名前を付けました。「シナリオ」と「モーション」。そして、このやり方全体を「カモフラージュ手法」と呼ぶことにしました。

「(曲名)、シナリオお願い」の一言で、絵コンテと写真の候補まで。
あとは曲を聴きながら、クリックで選ぶだけ。

限られた写真の中では、最高に近いできになりました。そして、どのシーンの写真が足りないかが、はっきり見えるようになりました。

🎯 何をしたかったか

これまでのMVは、まず写真の候補を80枚ほどに絞り、それを並べて作っていました。でも、ここまで動画を出してきて、気になることが2つありました。

  • 使い回し感:同じ写真が何本もの動画に出てくる。新しい作品だけでなく、過去の作品まで陳腐化してしまう。
  • 画質:どんなに良い構図でも、画質が悪い写真は、見ていて美しくない。

そこで、順番を逆にしてみることにしました。先に曲が求める場面を言葉にして、それに合う写真を探す。無ければ、撮りに行く。

🎬 カモフラージュ手法の流れ
順道具頼み方すること
1シナリオ「(曲名)、シナリオお願い」クロコさんが、曲の分析・歌詞の読み取り(要約だけ)・シーンの言葉(絵コンテ)・在庫の目安・文字の絵コンテ動画・写真の候補・選ぶ画面まで用意
2共同作業曲を流しながらクリック私が選ぶ → 2〜3回流して「OK」→ クロコさんが選ばれなかった枠を入れ替える。足りないシーンは基準をゆるめて必ず3枚
3モーション「モーション」クロコさんが仮の動きを付け、私が枠決めアプリで確かめて直す
4書き出し私の合図で最後に10秒の黒い画面。公開前に全コマ比べ
📝 1. シナリオ ― 曲と歌詞から、シーンを言葉にする

クロコさんは、曲を分析して(5分28秒・ゆったりしたテンポ)、歌詞の流れを読み取り、26のシーンを言葉で並べました。場所だけでなく、時間帯・光・距離・気持ちの温度まで。

全体の流れは、「隠す(霧・ガラス越し・夜)→ 懐かしさ(晩秋)→ 近づく → さらけ出す(霧が晴れる)→ 新しい朝の光」。題名の「カムフラージュ(偽装)」を、光の変化で表す設計です。

絵コンテ(第1案)。章ごとに、歌詞の流れの要約・シーンの言葉・写真の在庫の目安が並ぶ
絵コンテ(第1案)。章ごとに、歌詞の流れの要約・シーンの言葉・写真の在庫の目安が並ぶ

ここで、私の思いつきを1つ試してもらいました。写真の代わりに、シーンの言葉を曲に合わせて表示する動画です。

文字の絵コンテ動画。曲に合わせて、シーンの言葉が切り替わる
文字の絵コンテ動画。曲に合わせて、シーンの言葉が切り替わる

本当に、情景が浮かびますね。

さらに、各シーンに写真の候補を3枚ずつ並べました。写真が足りないシーンには「撮影予定」と表示されるので、そのまま撮影リストになります。

写真入りの絵コンテ動画。1画面に候補3枚と、シーンの言葉
写真入りの絵コンテ動画。1画面に候補3枚と、シーンの言葉
🤝 2. 共同作業 ― 曲を聴きながら、クリックで選ぶ

クロコさんが作った画面で、曲を流しながら、合う写真をクリックします。選んだ写真には金色の枠。押し損ねもあるので、2〜3回流してから「OK」と言うと、選ばれなかったシーンの候補を、クロコさんが入れ替えてくれます。

写真を選ぶ画面。下の帯(1〜26)でシーンへ飛べる。選んだシーンは金色
写真を選ぶ画面。下の帯(1〜26)でシーンへ飛べる。選んだシーンは金色
私
家の映像に関して、私の自宅がよく候補にでてきます。それは入れないでください。
私
4枚目の熊出没はリアルすぎますね(笑)
クロコ
確かに、雰囲気が一気に現実に戻ってしまいますね(笑)。看板や注意書きなど、文字が目立つ写真は候補に入れない決まりにしました。

こうして3回入れ替え、最後に出だしの4枚を「雰囲気が近く、きれいであざやかな写真」に差し替えました。最初の4〜5枚がパッとしないと、動画は離脱されてしまうからです。

🎞 3. モーション ― 動きを確かめて、直す

選んだ写真に、クロコさんが仮の動き(ゆっくり寄る・流す)を付けて、いつもの枠決めアプリを開きます。私は「全体プレビュー」で曲に合わせて通して見て、気になる写真の枠をドラッグで直しました。

モーション(枠決めアプリ)。緑の点線がスタートの枠、オレンジが終わりの枠
モーション(枠決めアプリ)。緑の点線がスタートの枠、オレンジが終わりの枠
🧭 モーションの由来 ― どの動画から?

「モーション」の技術は、カムフラージュで突然生まれたものではありません。2段階で育ってきました。

いつできたこと中身最初に使った動画
2026/9/25自動の動きクロコさんが写真ごとに「ゆっくり寄る・横に流す」を決める仕組み(汎用MV制作の道具)二人のMV「Sign」「With」の汎用版
2026/9/29枠決めアプリ私の提案で作ってもらった、始まりと終わりの枠をマウスで決める画面―
2026/9/30初めて私が枠を決めた枠決めアプリで全カットの枠を決めて保存花束(back number)中禅寺湖(10/1 公開)
2026/10/5〜7いつもの道具に毎回、私が通して見て、気になる写真だけ直す形が定着シングル・アゲイン・元気を出して
2026/10/12「モーション」と命名カモフラージュ手法の2つ目の道具として名前を付けたカムフラージュ(竹内まりや)

つまり、私が自分の手で動きを決める形は「花束」から。それが、写真を選ぶ「シナリオ」と組み合わさって、カモフラージュ手法になりました。

💡 分かったこと
1言葉が先だと、写真の足りなさが見える。「夜の駅」「夕暮れの紅葉」のように、撮るべき場面がそのまま撮影リストになった
2選ぶのは、曲を聴きながらが一番。3枚から1枚をクリックするだけなので、迷いが少ない
3出だしの4〜5枚と、終わりの2〜3枚は、とにかく美しい写真を。シナリオに合わせつつも、人を魅了する写真で
4機械の札だけでは選べない。「落ち葉の小道」にテント、参道に「熊出没」の看板。最後は目で見る
5新しいやり方を足しても、前のやり方は残す。曲ごとに「この手法でいこう」と選べるようにした
📅 その後の成り行き
  • 10/12:シナリオ → 3回の選び直し → 出だしの差し替え → モーション、まで(このページ)
  • これから:撮影で足りないシーンを補う(夜の駅・夕方の並木・夕暮れの紅葉・夜の雨・窓越しの灯)
  • 10/29(木)夜:公開予定(はじめは 11/5 の予定でしたが、2週間早めました)
  • 次の曲:竹内まりや「家に帰ろう」(11/5)も、この手法で
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